こんなにキレイな彼女ができた!?モテなかったあいつが、いつの間に…
結婚したいけど、忙しくて出会いのチャンスもない。懸命に働き続けた20代だが、ふと気がつくと、周囲の友人たちは次々に結婚していく。一体どうやったら、そんないい出会いがあるんだ…?
そんな中、学生時代の友人と、久しぶりに再会。きっかけは、卒業以来、一度も開かれたことのない同窓会の案内状が届いたからだ。
「おお、お前遅かったじゃないか。早く来いよ、ビッグニュース」
昔からお調子者だったSに手招きされて、僕も輪の中へ。Sは男の手から一台のケータイをぶんどって、僕に画面を近づけた。
「見てみろよ、この写真。かなりカワイイ子だよな」
うんうんと悔しがる男たちの群れの中で、一人だけはにかむ奴がいた。そう、あいつだ。
Episode 1 どこで彼女と知り合った?あいつがセミロングの美女と結ばれたワケ
どうやら“写真の美女”はあいつの彼女で、半年後には結婚の予定も立っているらしい。しかも、週末を利用して、あいつが小さいころに遊んだ公園やら学校やら…思い出の場所を紹介することになっている。かつての同級生たちは、この後の2次会に「彼女を呼べ」とからかう。あいつもまんざらではなさそうだ。
僕は心中複雑だった。あいつとは勉強もスポーツの出来も似たもの同士の親友だったが、ひとつだけ決定的に違っていた。あいつは女性に苦手な性質で、僕は恋の悩みを“聞いてやる”立場だった。だが、今はどうだ。しばらく連絡を取らないうちに、あいつには結婚相手ができていた、しかもキレイめときている。
「ところで、このセミロングの美人さんとはどこで知り合ったんだ?」
動揺を隠しておどける僕に、あいつはさらりとこう言った。
「ツヴァイを利用したんだよ、結婚相手紹介サービスの」
思い出した、あいつには昔から、譲らない信念があった。例えみんなに笑われても「大事な場面でお腹を壊さないように」と、試験期間中にハラマキ巻いて来たり。そして、そういうあいつの信念は、今から思えばほとんど理に適っていた。
僕は同級生たちとの別れを惜しみつつ、実家に帰ってすぐさまインターネットを開いた。気付けば画面に向かって「ツヴァイ」と入力していた。
ウワサの「ツヴァイ」って?
Episode 2 “駆け込み寺”じゃなかったの?あいつが利用した結婚相手紹介サービス
「結婚相談所は、最後の手段で使う、駆け込み寺だろ」
ずっとそう思ってきた。しかしあいつは、僕が仕事に追われて“出会い”をおろそかにしている間に、実際に“写メの美女”と出会い、すでに結婚まで話を進めている。それは紛れもない事実なのだ。
インターネットとは便利なもので、Webサイトからサービス概要を得られる一方、会員になって利用している人の声をあちこちで目にすることができた。中には不確かな情報もあるようで踊らされてはいけないが、しかし読み進めるうちに、結婚相談所に対して抱いていたイメージが音を立てて崩れていくのが分かった。
「結構、ちゃんとしてるじゃないか」
冷やかしの人間だったら途中で投げ出しそうなほど詳しく聞かれるプロフィールに、潜在的な性格を引き出してくれる心理テスト。それを前提として波長の合いそうな男女を引き合わせてくれる紹介制度。コーディネーターまで付くというから驚きだ。
そして何より、会員がみな真剣だ。真面目に交際したい男女が、純粋に機会を求めて集まっている。意外に、悪くないんじゃないか?
「ツヴァイ」をより詳しく知るために、資料請求をすることにした。これがすべての始まりだった。
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Episode 3 そして再び、同窓会へ あいつにも感謝したい出会い
あいつとの衝撃的な再開を果たした同窓会は、その翌年にもまた開かれることになった。積極的に呼びかけたのは僕だ。またいつ会えるか分からないから毎年会おうぜなどとそれらしい理由はつけたが、真意は他にあった。僕にも理想の彼女ができたのだ。それをみんなに聞いてもらいたかった。
「で、どうだったの、その結婚相手紹介サービスってのは」
聞かれて思い出す。膨らんだ一通の封筒が初めてポストに届いた日のことを。封を開けると、そこにはファーストネームが書かれた女性のプロフィール。心臓の高鳴る音がリアルに聞こえた気がした。もちろん、一人目からストライクの女性とはいかなかったが、回を重ねるごとに僕の求める理想にどんどん近づいていった。そうしてようやく出会えた、セミロングの彼女。あのとき小さなプライドが邪魔をして資料請求をしていなかったら、今の彼女には出会えなかった。僕のささやかな“選択”が人生の舵を切ったわけだ。
今回は忙しくて同窓会に来れなかったあいつに、電話で吉報を伝えた。
「そうか、おめでとう。めでたいなあ」
「まあ、まだ付き合い始めたところだけどな」
「どんな彼女なの?」
「ん、ちょっと待ってな」
僕は一旦電話を切り、彼女の写真をあいつに送信した。
あいつからの返信メールには「!!」とだけ書かれていた。
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